TN-SCOPE Science(SS)理数科

SS1、SS2特別講義(大阪大学) 令和5年12月8日(金)

第1部「太陽系の作り方」

第2部「重力可変装置を利用した課題研究の進め方」
講師 大阪大学大学院 久好圭治 特任研究員

 大阪大学との高大連携事業を2部制で実施しました。第1部(6限)は、1・2年次生を対象に実施しました。惑星科学分野の研究について講義していただきました。太陽系がどのように形成されたのかについて、最新の研究結果を交えてわかりやすく説明していただきました。太陽系の惑星の形成について今まで信じられてきた「京都モデル」の矛盾点について、観測事実に基づき丁寧に解説していただきました。太陽系や生命誕生の謎を解き明かすために、隕石や微惑星の岩石中にある鉱物のもつ情報が必要であることも知ることができました。また、小惑星「りゅうぐう」から見事にサンプルリターンを成功させた「はやぶさ2」の「サンプルホーン」の開発には、久好先生が関わられた科学部の研究手法が利用されているそうです。
第2部(放課後)は、自然科学部と理数科の希望者対象に実施しました。久好先生がこれまでに関わってこられた科学部での研究や学会での発表エピソード、「はやぶさ2」開発にコラボしたこと等について、お話ししていただきました。微小重力を利用した研究が、教室内で簡単に精度良く実験できることを知り、今後の研究のヒントをいただきました。
 久好先生は、午前中は大阪大学大学院の特任研究員であり、午後は高等学校の定時制で物理教師としての生活を20年以上続けられていました。先生の定時制での科学部の研究活動は、多くの方々と化学反応を起こし、さまざまなメディアにも取り上げられ、その活動が「書籍」(※)になっています。

(※)本校図書館にあります。是非読んでみてください。

「宙(そら)わたる教室」著者:伊与原 新、文藝春秋 「13歳からのサイエンス」著者:緑 慎也、ポプラ社

第1回SSH高等学校課題研究研修会参加 令和5年11月25日(土)13:00〜17:00 徳島大学理工学部K棟6F

徳島大学理工学部の先生方と城南高校が主催となり、今回の研修会が実施されました。理数科1年次生と城北高校や海部高校も参加しました。三好先生がファシリテーターとなり、研修が進められていきました。

 KJ法によるグループワークを行い、課題研究のテーマを決める過程を学びました。まず、模造紙いっぱいに、自由奔放な研究テーマを書いた付箋を貼り、グループ討論により、意味のあるまとまりごとにメモをカテゴライズし、全員一致で架空のテーマを設定しました。そのテーマの何について解明していくのかをKJ法により集約し、最終的に現時点で一番解明したい現象や手法を決定し、研究の方向性について最終発表しました。

 本校生徒だけでなく、他校生のテーマ設定についてのストーリーも共有することができ、協働や共創の場となりました。次回は2月に、今回の手法をもとにSSの時間を使って本テーマを決定し、発表を行う予定です。

SS1特別講義(徳島文理大学) 令和5年11月20日(月)7限実施

演題「あなたを守る免疫の仕組み」

講師 徳島文理大学薬学部 深田俊幸教授

 理数科1年次生が、深田先生による講義を聴講しました。まず、免疫についての仕組みをわかりやすく丁寧に説明していただきました。次に、新興感染症の基礎知識と、エイズの特効薬に関わられた日本人医師についてのお話を聞きました。エイズは不治の病ではないことを初めて知りました。薬学に関する知見を広げることができ、医療人としての倫理観や使命感について深く考えることができました。

 

高大連携事業(鳴門教育大学)英語による理科授業 令和5年11月10日(金)

 鳴門教育大学大学院の研究員による英語で理科授業を本年度も行いました。昨年度より、普通科2年次理系の生徒にも実施しています。2限目は普通科、4限5限は理数科生徒を対象にオールイングリッシュでの理科実験授業を実施しました。SAGAR Meenal Yashna:フィジー(主授業者)、SHI Weina:中国、LI Ying:中国(補助授業者)各先生による「混合物と分離」を2・5限目に、JAMO Deila:モザンビーク(主授業者)、BANZE Alaudino:モザンビーク(補助授業者)各先生による「食物の分類(含有タンパク質検出)」を2・4限目に実施しました。実験やグループワーク及びディスカッションを行い、事前に配付された単語リストを活用し、コミュニケーション力をフルに発揮して授業に挑みました。

 交流会では、研修員の出身国の紹介を英語でプレゼンしていただいた後、理数科2年次生が課題研究のアブストラクトを1分程度で発表しました。生徒は、科学的な内容を英語で理解するという貴重な体験により、語学を学ぶ意識が高まったようです。

 

京都大学学びコーディネーターによる出前授業の実施 令和5年10月20日(金)

 京都大学が高大接続・高大連携活動の一環として、全国的に展開している学びコーディネーター事業を利用して、理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士後期課程の大学院生に「元素の起源」というテーマで出前授業をしていただきました。

 宇宙に存在する元素が、どのように合成されてきたかについて、1.ビッグバンによる合成過程、2.恒星の内部での合成過程、3.鉄よりも重い元素の合成過程について、図や動画をもとにわかりやすく説明していただきました。現在研究中の超新星爆発による元素合成の過程についての説明や、世界初の観測に成功したお話などは、生徒の興味・関心が最も高いものでした。
 今回の授業を受け、「元素の起源」を研究することは、生命の起源の完全な理解につながることがわかり、宇宙・惑星科学分野における研究の魅力や醍醐味を感じることができました。