2024年8月の記事一覧

バッテリー教育プログラム:実習編(産業技術総合研究所 関西センター) 令和6年8月26日(月)

 

 新たな産業の柱として徳島県が推進する「徳島バッテリーバレイ構想」の一環として、蓄電池に関する教育プログラムが導入され、本校がその指定を受けました。まず、7月には蓄電池に関する基礎知識を学ぶ授業(バッテリー教育プログラム:座学編)を受け、今回は大阪府池田市にある産業技術総合研究所(産総研)関西センターで小型電池製造実習を行い、理数科1年次生が参加しました。

 実習は大きく4つの工程に分かれ、乾燥時間や充電時間のロスをなくすため、通常の順序を一部変更して効率的に行われました。初めて扱う器具や装置に戸惑いながらも、各グループにはアシスタントによる丁寧なアドバイスがあり、全員がリチウムイオン電池(パウチ型)の製造に成功しました。意外と簡単に作成でき、電圧も3Vの出力を確認し、LEDを点灯させたり、オルゴールを鳴らしたり、電気自動車の模型を動かしたりすることができました。電池製作後には、振り返りとしてスライドを使い、リチウムイオン電池の構造や仕組みについて理解を深めました。

 今回の実習を通して、普段使用しているスマートフォンの中にも同様の電池が使用されていることを知り、その中に詰め込まれたさまざまな技術について改めて理解を深めることができました。

 

TN−サイエンスツアー 令和6年8月7日(水)

 本年度より、新たな理数科行事として「探究する力」「創造する力」を育むために実施した『TN−サイエンスツアー』は、理数科1年次生を対象に行いました。世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設のSpring8(Super Photon ring-8 GeV)及びX線自由電子レーザー施設のSACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)研修と令和6年度SSH生徒研究発表会に見学団として参加しました。 
 Spring8研修では、放射光の発生原理について学び、実際に施設内部の実験スペースを見学させていただき、施設の大きさを体感することができました。生命科学や環境・エネルギー、新材料開発など様々な分野の研究開発に貢献していることから、世界的にもとても重要な施設であることを実感することができました。また、SACLAのX線自由電子レーザーは、これまで実現できなかった原子や分子の瞬間的な動きを観察可能にしたことで、難病の原因解明と薬の創出、地球環境を悪化させる物質の抑制方法の確立など、私たちの生活の向上に大きく役立つ重要な研究施設であることに魅力を感じました。 
 昼食後、神戸国際展示場で開催された全国のSSH校代表者による生徒研究のポスター発表に見学団として参加しました。本校からは、理数科3年次生の化学班が「髪の毛で世界の水質汚染を救う」という研究テーマで発表を行いました。興味のある発表を3つ以上聞くことを目標に、さまざまな分野の課題研究ブースをまわり、質問や意見交換を行い、交流を深めました。 
 今回のツアーは、専門家から直接話を聞くことができたり、研究の様子を見学させていただくことができ、貴重な経験となりました。