令和8年度 SS特別講義「あらためて月を考える」~身近な天体で科学的探究を体験する~
2026年4月30日 18時56分4月30日(木)、理数科1年次生を対象にSS特別講義を実施しました。
講師には、大阪府立今宮工科高等学校定時制課程講師であり、大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻の元特任研究員でもある久好圭治先生をお迎えしました。久好先生は、ドラマ『宙わたる教室』のモデルとしても知られ、生徒とともに重力可変装置を製作して教室内に他惑星の重力を再現するなど、独創的な研究を手掛けられてきた方です。今回は、これから課題研究に取り組む理数科1年次生に向け、身近な天体である「月」を題材として科学的探究の視点や問いの立て方についてのヒントをいただきました。
講義では、月の誕生に迫る「巨大衝突説」やマグマオーシャンの存在、自転周期と公転周期が一致する仕組み、地球と月の距離が年に約3cmずつ離れている事実など、最新の知見を交えた刺激的なお話が展開されました。単なる「天体」としてだけでなく、将来的な資源や有人滞在の拠点といった新たな視点からのアプローチに、生徒たちは深く引き込まれていました。
生徒の感想・疑問(受講後アンケートより抜粋)
「これまでは天体としてしか月を捉えていませんでしたが、資源や有人活用の可能性という新たな視点から考えることができ、ロマンと面白さを感じました。誰かの研究を聞くだけでなく、自分自身の手で研究し、真相を突き止めたいという思いが強まりました。」
「講義を通して色々なことに興味が持てたので、自ら調べてみたいです。本校にある実験機械も積極的に活用して研究に挑戦したいと思いました。」
「月の誕生に関する巨大衝突説や、自転と公転の周期が等しい(約27.3日)ことに驚きました。月面基地の運用や21世紀中の人間生活の可能性について、もっと深く知りたいです。」
「極限の高温状態(2,800℃)に耐えるロケットの金属材料や、極低温(-170℃)とされる『永久影』に存在すると言われる水の状態など、物質や地質構造に関する技術的な側面に非常に興味が湧きました。」
「マグマオーシャンにおいてナトリウムやカリウムが浮上し、マグネシウムが沈降した後のプロセスなど、元素の挙動と月の核の構造についてより詳しく知りたくなりました。」
普段見上げている月という身近な存在から無数の「問い」を生み出すプロセスを体感し、生徒たちにとって今後の課題研究への大きなモチベーションとなる貴重な機会となりました。