「人権啓発映画会」が行われました

5月23日(水)に人権啓発映画会が行われ、 「彼らが本気で編むときは、」 を体育館で全校生徒で鑑賞しました。保護者の方も数名参加されていました。内容は、トランスジェンダーのリンコと育児放棄された少女トモ、リンコの恋人でトモの叔父のマキオが織り成す共同生活を描いた人間ドラマで、とても愛おしい作品になっていて、性同一性障害のこと、同性愛のこと、子どもや家族のことを考えるよいきっかけとなりました。

【生徒の感想文より(一部抜粋)】
■トランスジェンダーの方が題材になっているような映画は初めて見たのですが、すごく心に残るような映画でとても感動しました。まず、リンコさんがとても心がきれいな優しい方で、見ていて何度もこんな心の人になりたいなと思いました。リンコさんの周りは、リンコさんのことを理解しくれるお母さんや恋人がいて、そんなふうにきちんと理解して、支えてあげられるというのは、本当に素敵なことだと思いました。しかし、一歩外に出れば変人扱いされて、あまり関わるなと言われたり、変な目でみられたりして、見ている私もすごくつらかったです。また、あまり関わらない方がいいというようなことを善意で言ってるような感じがあったことに驚きました。

■まだ差別が残る今の世の中をどうすれば変えられるのだろうか。理解を広めていくのが一番いいが、そんな簡単なことではない。私にできることはなんだろう。それはこのことを考え、そんな方がいることを忘れずにいることだと思う。ちょっとした行動や考えで、世界が変わっていくことを願いながら、私にできることをやっていきたいと思う。

■リンコさんの立場で考えてみたときに、私は彼女のように強く生きていけるのだろうかと思いました。自分は何も悪くないのに、周りから心ない言葉をたくさんかけられ、ずっとさまざまな悩みをかかえているにも関わらず、相手に言い返すこともせずに、自分自身にきちんと向き合っている姿はとてもかっこよくすばらしい姿だと感じました。さまざまな悩みを抱えながら、人から傷つけられる怖さや悔しさを知っている人こそが、人に優しい心を持って接することができると思います。そんな心を持っている人が、“立派な人”と言えるのだと感じました。

■家族とは何か、とも考えさせられました。子供の世話がみれずに、家に残して男のもとへ行ってしまう母親、子供の心と体の性の不一致を受け入れ、支える母親、家を捨てたという大人たちを見て、家族とは何だろうかと思いました。それぞれ、色々な感情をもって、相手とどう接すればいいのか悩んでいるのがわかりました。家族の大切さ、家族であっても、一人と一人であるということです。色々な家族のあり方を感じました。

■LGBTと呼ばれる人たちが、当たり前に平穏に暮らすことができる世の中になることを私は強く願います。映画を見ることによって、LGBTのことが深く知れて、とても勉強になりました。知識をもっていない人たちに自分から発信していこうと思いました。

■この映画を見て、一番心に残ったところは、リンコが差別や偏見によって、馬鹿にされたり、侮辱されたりしても、憎んだり、反抗したりせずに、ただ編み物を編んで、負の感情をなくしていたことです。そんなことをリンコができるのは、とても心が美しいからだと思います。トモが最初に戸惑っていたけれど、だんだんリンコにひかれていたことや、マキオがリンコに一目ぼれしたのも、リンコの心が広くてきれいだったからだと思いました。